町の風景

「15の夜」より続く
二十歳になり、完全に方向性を見失ってしまった尾崎が突然、
無期限活動休止を宣言し、単身で渡米後に、
覚せい剤に溺れてしまったことを擁護するつもりは全くありませんが、
そもそも、音楽も芸術の領域(当然ですが)であるとするならば、
アーティストの品行方正さよりも、その作品や表現力が問われるべきでしょうし、
この『15の夜』が収められているデビューアルバム『十七歳の地図』
全篇を聴いていただければ、
尾崎が ”大人や社会への反発、不信、抵抗“ を表現したかったわけでも、
実際にバイクを盗んだり、夜の校舎の窓ガラスを割ったわけでもなく、
愛と自由、 真実とは、正しいものは何なのかを真摯に模索し続けた、
苛烈な生涯だったことがご理解頂けるのではないでしょうか。
『17歳の地図』Wikipediaより
ソニー主催のオーディションに合格し、17歳にしてレコーディングされた作品。発売時に尾崎豊本人が高校在学中だった為、生産枚数が抑えられ、初回生産分はかなり少ない。また、当時無名同然の高校生だったため、はじめはわずか3000枚売るのが精一杯だったとも言われている。後に尾崎自身が「ファースト・アルバムを超える作品が作れない」と発言しているほど、後の代表作が多数収録されている。鬱屈した10代の感情を歌い上げた楽曲群は若者たちに受け入れられ、現在でも再発が繰り返されている作品である。また、オリコン史上、発売からミリオン達成まで最も時間がかかった(1994年3月21日付で達成。10年3か月21日)アルバムでもある。なお、後に親友となる吉川晃司は、このアルバムが発売された当時、自身のラジオのレギュラー番組で「自分と同い年の奴が発売したアルバムで、素晴らしいアルバムがある。是非みんな聞いて欲しい」とこのアルバムを大絶賛した

尾崎も、のちに語っているように、
最近でも、関係者の人とかに聞くと、サウンドから入ってゆく人が多いみたいだから、音楽って、もしかしたらそういうものかもしれないけど、僕の場合は、言葉を歌ったのが音楽になっていた、みたいな感じだったんで (雑誌『GB』でのインタビュー・19歳の時)
まず、 ”はじめにことばありき
いずれも素晴らしい詩のオンパレードですが、
お気に入りのナンバーをいくつかご紹介していきましょう。
街の風景
本blogでもご紹介したように、
この歌には原曲があり、およそ10分にも及ぶことから、
初レコーディングはリテイクの嵐だったそうですが、
スターダムにのし上がったあとも、
ライブコンサートなどではこのフルバージョンを歌っていたそうですから、
彼が自らの詩をいかに大切に思っていたかがわかります。
それにしても、中学のとき、国語の授業中に書き上げたという詩の凄さをご堪能下さい。
町の風景(原曲)
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(歌詞:削除)
そして、これがオーディションに持ち込んだといわれる「町の風景」のデモテープ音声です。
16歳ですよ。。 ”天才” としか表現しようがありません。

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